原油先物取引入門
原油の基礎知識
WTIとは?
ウェスト・テキサス・インターミディエイト(英語:West Texas Intermediate)、略してWTIは、アメリカ合衆国南部のテキサス州を中心に産出される原油。
アメリカ国内で産出される原油の6%・世界で産出される原油の1~2%ほどを占める。硫黄分が少ないため、ガソリンや石油製品の製造に適した軽質油である。
原油価格の代表的な指標にはこのWTIのほか、欧州産の北海ブレント、中東産のドバイがあり、これらが世界の3大原油指標と言われています。
そのなかでも、WTI原油先物は、WTI原油はNYMEX(ニューヨーク・マーカンタイル取引所)で取引しされ、その取引量と市場参加者は圧倒的に多く、市場の流動性や透明性が高いため、原油価格の指標にとどまらず、世界経済の動向を占う重要な経済指標の1つにもなっています。
日本国内では中東産ドバイ原油の円建ての先物取引が東京工業品取引所でされています。
原油先物 | WTI原油先物 | 原油先物CFD | |
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取引所
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OTC |
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レート
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1キロリットル:日本円 | 1バレル(158.9873リットル):ドル | 1バレル(158.9873リットル):ドル |
取引単位
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50キロリットル(50倍) | 1000バレル(1000倍)ミニ(500倍) | CFD会社によって違う。 |
取引時間
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9:00~15:30、17:30~23:00 | ほぼ24時間(時間外取引含む) | ほぼ24時間(NYMEX同様) |
原油の需給
「原油」の供給
「原油」の主な産油国は、1位サウジアラビアの日量10,846バレル、2位ロシアの同9,886バレル、3位米国の6,736バレル(2008年:BPStatistical Review Of World Energy)。これら世界の国々で日量約8,182万バレル(2008年)の「原油」が産出されています。その中でも「OPEC(石油輸出国機構)」は全体の約45%を占めています。
BPの最新のレポートでは、原油の確認埋蔵量を原油の生産量で割った可採年数は、2008年末は、42.1年。しかし、今から20年前の1988年末の可採年数は43.3年でした。20年間で2年しか減っていない。1988年末の原油確認埋蔵量が2550億バレルのサウジアラビアは、この20年間に702億バレルの原油生産を行っている。にもかかわらず、2008年末の確認埋蔵量は、2641億バレルと91億バレル増えているのが現状です。
「原油」の需要
日本は、米国に次ぐ世界第二位の原油輸入国でしたが、08年5月には中国が日本を抜いて世界二位の原油輸入国となっています。中東諸国からの輸入依存度は極めて高く、2007年の原油輸入量(約15億バレル)における中東依存率は86.7%(約13億バレル)にも達しています。中東諸国からの輸入割合が極めて高い理由は、中東産の「原油」が「ガソリン」「灯油」「軽油」などをより多く生産できる性質を持ち、日本の需要構造に適していることと、中東以外の産油国の供給余力が産油国内の消費量の増加などにより低下しているためです。
「原油」は、製油所で様々な石油製品(ガソリン・灯油・軽油など)に精製されます。
日本では、「原油」をほぼ100%輸入に頼っており、国内の一次エネルギー(自然界から生まれたままエネルギー源となるもの)に対する石油依存度も、40~50%となっています。
主な変動要因
ハリケーン
9月10日がピークとしたハリケーンシーズンがあります。
メキシコ湾岸には、多くの石油関連施設が集中しており、このシーズンは、大西洋やメキシコ湾岸で発生するハリケーンの進路に市場関係者の注目が集まりやすい。
過去、2005年のハリケーン「カトリーナ」「リタ」によるメキシコ湾岸の石油関連施設への甚大な影響が記憶に新しいところです。
各機関による需要動向の見通し
毎月中旬、国際エネルギー機関(IEA)、米エネルギー情報局(EIA)、石油輸出国機構(OPEC)が月次で世界の石油需要の予測を出しています。
毎週水曜日に米エネルギー省(API)、米エネルギー情報局(EIA)が発表する需給統計(下記の指標参照)を発表し、原油やガソリンの在庫量の増減が価格に影響を与えます。
また、関係者の発言が要因になることもあります。
為替相場
原油はドル建てで取引される銘柄であるため、ドル安は上昇要因、ドル高は下落要因となります。
特に対ユーロでのドル高・ドル安が相場変動に大きく影響します。すなわちユーロ・ドルがユーロ高・ドル安なら上昇要因、ユーロ安・ドル高なら下落要因となります。
2008年の夏場にかけての原油価格の高騰には対ユーロでのドル安も大きな要因となりました。
ファンドの動向
近年、インデックスファンド、ヘッジファンド、ETFなどのファンドが先物市場や店頭デリバティブを通して取引することが価格に大きな影響を与える結果となっています。
過度の投資による価格高騰を懸念し、米国では今秋にもFRBやCFTCが具体的な規制を詰め公表する予定。
原油価格の指標
CFTC建玉明細:
毎週火曜日の取引終了後(現地時間)に市場参加者がCFTCにポジションを報告し、当該週金曜日の取引終了後(現地時間)に内容を発表。
API石油在庫統計:
毎週金曜日午前7時(東部時間)の在庫状況を調べ、翌週の水曜日午前9時(米国時間)に公表。API(米国石油協会)
EIA石油在庫統計
毎週金曜日午前7時(東部時間)の在庫状況を調べ、翌週の水曜日の午前10時半に発表。EIA(米国エネルギー省)
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